2000-09-09[n年前へ]
■帰ってきた「電子ブロック」 
動け僕らのスーパーマシン
某サイトの中枢である某秘密研究室の撮影写真が下の写真である。日夜、色んな道具で遊んだり、無意味な?実験・解析・考察している某サイトの中枢がこの部屋である。といっても、実際にはこの部屋にはそんなに入っていないらしい(だからそれほどちらかっていない)のであるが、それはこの際関係ない。とりあえず、この写真を見ると、部屋の片隅にとある科学おもちゃが積み重なっていることがわかるだろう。もちろん、判る人ならすぐ判るはずの「学研の電子ブロック」が積み重なっているのである。
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前回、電子ブロックで遊んだ
の時には、Ex-60とEx-100しか持っていなかったのだが、文字通り「人間的に大きなオーパ氏」にEx-150を頂くことができたおかげで、今では三機種が私の部屋に鎮座しているのである。 知らない人のために電子ブロックの説明をしておくと、電子ブロックというのは学研が出していた科学おもちゃで、電子回路を簡単に作って遊べるものである。今で言うところのブレッドボード上で電子回路を組み立てるようなもので、電子部品が入ったブロックを差し込んでいくことで、電子回路を組み立てて遊ぶことができるのである。子供の頃の「電子ブロック」は私にとってまさにスーパーマシンだった。そして、デザインはスケルトンが基本という古さを感じさせないものだった。下の写真を見れば、電子ブロックの感じが大体つかめることと思う。
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電子ブロックについて詳しく知りたい方には、
- 電子ブロック ( http://www.denshiblock.co.jp/)
そこで、作成されていたのが「バーチャル電子ブロック」である。先のWEB上から説明文を引用すると、
「バーチャル電子ブロック」は教育玩具として人気を博した「電子ブロック」の復刻版という位置づけで、パソコン上でマウスを操作してブロックを配置して電子回路を作成し、その働きをシミュレーションできるソフトウェアですというものだ。ソフトウェアの力で「電子ブロック」が蘇るのである。しかも、別売りの外部インターフェースをPCに接続すれば、往年のブロックの形状をした外部機器を制御できるというのである。
この「バーチャル電子ブロック」プロジェクトがアナウンスされてから、ずいぶんと長い時間が経った。その間、来る日も来る日も「バーチャル電子ブロック」のことを考えていたのである。未だかなぁ、早く出ないかなぁ、と毎日考えていたのだ(部分的に誇張有り)。
それが、昨日ようやく(お試し版)という形でダウンロードして、実際にいじれるようになった。そこで、
- 「バーチャル電子ブロック」発売のお知らせ( http://www.denshiblock.co.jp/vdb/index.htm )
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このお試し版は付属の「スイッチング回路」で使ってる部品のみを使うことができる。トランジスタ一種、LED、抵抗三種、ブザー二種、プッシュスイッチと若干の配線である。それ以外は、使うことはできないようになっている。そこで、使える部品だけで遊んでいたのだが、じきにすぐ飽きてしまった。まぁ、動作確認のための「お試し版」だからこんなものなのなのだろうなぁ、とりあえず発売されたら直ぐに買うことにするかなぁ、と思いながらビールを飲んでウトウトと昼寝をし始めてしまった。すると、私は面白い夢を見始めた。
夢の中では、コビトさんがいっぱい登場して、何やらセッセとブロックを運んでくる。そして、カチリカチリとお試し版の回路の中にブロックをはめていくのである。あれあれ、あのブロックはさっきまでは使えなかったのになぁ、と思っているのにコビトさん達は無関係に運んでいくのである。
というわけで、コビトさん達は試しにさっきの付属の回路にボリュームと電流計を取り付けたようである。
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夢の中で私がいじってみると、ボリュームをいじるとLEDの明るさもリアルタイムで変わるし、ボリュームの抵抗次第で、スイッチング回路もちゃんと動く、そしてその上電流計もちゃんと動く。いやぁ、楽しいものである。こりゃ、実際の製品が出たら即「買い」である。
また、NE555や74-164といったICも夢の中では登場していたのだが、コビトさんにはこれらのICはちょっと大きすぎて運べなかったらしい。あるいは、この狭い領域の中では大きな部品をうまく使えなかったのかもしれない。とにかく、途中でコビトさんは投げ出してしまった。
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さて、この「バーチャル電子ブロック」は私のように「電子ブロックを懐かしく感じる世代」に受けることだろう。それだけでなくて、もしかしたら今の子供達(の一部)にも受けるかもしれない。その時に、「こういうおもちゃが出てくるまでの歴史」をその子供達にぜひ知って欲しいなぁ、と私は思うのである。そうしないと、現在、できているものをあるのがただ当たり前のように思ってしまうのではないか、と思う。
そして、逆に「昔のものから今あるものへの流れ」を知ることで、「今あるものから明日あるものへの流れ」を作ることができるようになるんじゃないのかなぁ、とおぼろげながら思ってみたりするのである。
2000-10-29[n年前へ]
■「しょんべん小僧」の物理学 
あともう一歩、前に出ろ
以前、- スクール水着の秘密 - 腹の部分のデカイ穴 流体力学入門編2 - (2000.08.24)
「男性にはよくある風景だけれど、女性にとっては未知のミステリアスゾーン」といってもたくさんあると思うが「男子トイレ」というものだって、女性にとっては未知のミステリアスゾーンだろう。
次の絵はよくある男子トイレの一風景だ。便器前のポジションに立つとどうしても目に入る位置にこんな内容を書いたチラシが張ってあることが多い。
「ちょっと待て、あともう一歩前に出ろ。」
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もし、その張り紙がなかった場合にはどうなるだろうか?その場合には、下の絵のような事故が発生してしまうのである。実際のところ、ほとんどの公衆便所で見かける風景だ。
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そう、便器にロックオンして放水をしたハズなのに、何故かターゲットである便器まで「小便」が届かずに便器下を汚してしまうのである。実にマズイ事態ではあるがよく見かける風景でもある。便器内を狙ったハズの小便が残念ながら目標地点まで辿り着かなかった場合に起きる悲劇である。
もちろん、どんなに飛距離が小さくても、すなわち小便が放水銃の先から真下に垂れてしまった場合でも、便器の顎の上から放水作業を行っていれば何の問題もないわけだ。しかし、世の中の男性達は何故か遠くから狙いたがるのである。先程の、「ちょっと待て、あともう一歩前に出ろ。」という張り紙ではないが、もう一歩前に出て便器の顎の上から放水作業を行いさえすれば良いのではあるが、何故か漢(ここではあえて、漢と書いてオトコと読むことにしよう)達はそれができないのである。
さて、この現象には別に公衆便所でなくても発生するわけで、どこのトイレでも便器の下を汚してしまうことになる。そのため、家庭によっては妻から
はるか古の昔から「男らしさ」のひとつが「立ち小便」でなかったか?、そして「立ち小便」は「男らしさ」の最後の砦ではないのか?という気も私は少しだけしたりするのだが、便器周りを汚しまくる現実の前ではそんな「男らしさ」は2000円札よりも価値がないのである。2000円札ならば喜んで受け取ってくれる人もいるだろうが、便器の下に落ちようとする「小便」は誰も受け取ってくれない。いや、実際のところ小便を喜んで受け取ってくれる人もいるのかもしれないが、少なくともそんな人の数は2000円札を喜んで受け取る人の数よりはきっと少ないだろうと思うのである。
そしてさらに、「男らしさ」が「立ち小便」なら、そんなものイラナイと言われてしまいそうな気もするし、「立ち小便」が「男らしさ」の最後の砦か!?と言われてしまいそうな気も強くするので、ここらへんについての社会学的な考察は追求しないでおこう。
それでも、私は世の中の虐げられている「しょんべん小僧」達のため、そして「男らしさ」の最後の砦を守るために、男子トイレの「しょんべん小僧」達がどうしたら、放水ミスをしないかを物理的に考えてみることにしたい、と思うのである。
さて、便器まで小便が届かないという「放水ミス」はどのようにすれば防ぐことができるだろうか?小便の飛距離を小さくしないためにはどのようにしたら良いだろうか?そのためには、まず小便の飛距離がどのようにして決まるのかを考えなければならないだろう。
下のちょっとリアルな「しょんべん小僧」の放水作業ではないが、小便の軌跡はきれいな放物線を描く。
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すなわち、空気抵抗などは無視した場合のピストルの弾と同じく
- 銃筒の先端を出るときの初速度
- 銃筒の角度
銃筒の先端を出るときの初速度 = V0と表すと、小便の飛距離は
銃筒の角度 =θ
a V0^2 Sin[2θ] (aは定数)と表される。この式を見ればθ = 1/2 rad.の時にSin[2θ]が1になるので一目瞭然であるし、また感覚的にも自然であるが、銃筒の角度の方は上向き45度の角度に向けるときに小便の飛距離は最大になる。一方、初速度V0の方は速ければ速いほど、小便の飛距離は伸びる。
それを示したのが、次の図である。「小便の銃筒の先端を出るときの初速度と銃筒の角度を変えた時の小便の飛距離」を示したものだ。
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すると、便器まで小便が届かないという「放水ミス」すなわち、小便の飛距離を小さくしないためには、銃筒の角度を大きくしすぎたり、小さくしすぎたりしないという知見が得られるわけであるが、そんなことは当たり前だ。誰もトイレで銃筒を真上に向けたり、真下に向けたりはしないのである。先のちょっとリアルな「しょんべん小僧」ではないが、手で放水銃を支持している限り何の問題も無いのである。
つまり、便器まで小便が届かないという「放水ミス」はほとんどの場合「放水銃の角度」のせいではないのである。つまり、「銃筒の先端を出るときの初速度」が問題だったと考えるのが自然である。
それでは、「銃筒の先端を出るときの初速度」はどのようにして決まっているのだろうか?それを大雑把に考えてみたのが次の図である。腹筋で膀胱に圧力Pをかけて、銃筒の先端から小便を初速度V0で放水作業を行うのである。
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ところで、上の絵でポンプとして表した膀胱に圧力Pをかけた場合には、膀胱からb P (bは比例定数)と表せる量の小便が銃筒に送り込まれるものとしよう。その場合、その量の小便が銃筒の先端から単位時間に出るわけであるから、銃筒の先端の口径をAとすれば、
V0 = b P /Aと表すことができる。すなわち、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pに比例し、銃筒の先端の口径Aに反比例するのである。
さて、いくら腹筋が強い人であっても腹筋をいきなり締め付けることはできない。つまり、腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pというものは徐々に大きくなるのである。
すると一見、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」も0から徐々に大きくなる、すなわち、放水作業を開始した最初の瞬間は「銃筒の先端を出るときの初速度V0」= 0であって、小便の飛距離も0である、つまり、便器まで小便が届かないという「放水ミス」が必ず起きるかというと、実はそういうわけではない。
ポンプである膀胱から銃筒の先端までは、ある程度の長さがある。もちろん、その長さは一定ではないのだが、とにかくある程度の長さがある。そのため、小便が銃筒の先端から出る瞬間には、ポンプである膀胱にかかっている圧力Pは0ではないのである。すなわち、膀胱から銃筒の先端まである程度の長さがありさえすれば、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は結構大きくすることができるのだ。もちろん、腹筋を鍛えて、腹筋に急激に力を掛けることができれば、その効果はさらに上がることは言うまでもない。
だとしたら、一般的に便器まで小便が届かないという「放水ミス」は一体何時起きるのであろうか?それは、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」を決める膀胱にかかる圧力Pが低下し、なおかつ最初の瞬間と違い「膀胱から銃筒の先端までの長さ」を有効に活用できない、放水作業を終える瞬間である。飛行機でも着陸が一番難しいというが、この放水作業もやはり放水作業を終える瞬間が一番難しいのである。そのため、多くの場合小便達は便器内への着陸に失敗し、便器の下を汚してしまうのである。
しかし、私は「男らしさ」の記念物でもある「立ちしょうべん」を守るために、一つの解決策を考えついたのである。「男らしさ」の最後の砦を守る技術を提唱したいのである。すなわち、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pに比例し、銃筒の先端の口径Aに反比例するのであるから、放水作業のラストに膀胱を締め付ける圧力Pが小さくなった、あるいは、膀胱を締め付ける圧力Pを有効に膀胱からの排水に変換できない排水作業のラストにおいて、銃筒の先端の口径Aを小さくしてやればよいのである。そうすれば、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」は「銃筒の先端の口径A」に反比例するのであるから、膀胱から出てくる小便の量が低下しても、「銃筒の先端を出るときの初速度V0」を0にならないように維持することができるのである。これにより、放水ミスを防ぐことができるハズなのである。
さて、私は「男らしさ」の最後の砦である「立ちしょうべん」を守るために、このような技術を考えてみたわけであるが、この技術の実証作業は行っていない。果たして、「銃筒の先端の口径A」を自分の意識で小さくすることができるか!?というところに大きな問題点があるような気もするのであるが、それは「男の意地」で克服できると私は信じている。外部から制御するって手もあるのだし。って何の手の話だ、全く。
2001-01-27[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 仏の手にも煩悩編 
時速60kmの風はおっぱいと同じ感触か?
本サイトhirax.netは「実験サイト」というジャンルに分類されることが多いようである。何が実験で、何が実験でないのかは私にはよくわからないのだが、とにかく「実験サイト」と呼ばれるサイトは数多くある。そして、その数ある実験サイトの中でも、人間そして愛について日夜取り組んでいるサイトの一つが「性と愛研究所」である。その「性と愛研究所」を読んでいると興味深いことが書いてあった。テレビ番組の「めちゃめちゃイケてる!」の中で何でも「時速60キロの風圧はおっぱいの感触である」と言っていたらしい。そしてまた、「性と愛研究所」では「おっぱいの感触と風圧に関する考察」の中で、「時速60kmでは全然おっぱいの感触ではなくて、ちょうど時速100kmを境に急におっぱいの感触を感じます。」というメールを紹介しながら、
「時速100kmの風では、本物は触れないけどお手軽に疑似体験、名付けて『プリンに醤油でウニ』ではなくなってしまう。それでは、まるで『キャビアにフォアグラでトリュフの味』だ。青少年のために疑似おっぱいを探してあげる必要があるな。」と結論づけている。
この「時速60kmの風」現象は「できるかな?」的にとても興味深いと思われるので、今回じっくりと考えてみることにしてみた。そして、この結論に何らかのプラスαをしてみたいと思う。
そう、前回「オッパイ星人の力学 第四回- バスト曲線方程式 編- (2001.01.13)」でオッパイの表面で働いている力について考えてみたのは、実は単に今回・そしてさらに次回の話のための準備だったのである。(さて、ちなみに今回は会話文体をメインに話が進む。「性と愛研究所」ではないが、この手の話は会話文体の方が書きやすいように思うし、私のバイブル「物理の散歩道」でも「困ったときの会話文体」と言われていたので挑戦してみた次第である。言うまでもないが、AもBも私が書いてはいるが、私自身ではない。)
A : 「東名高速で出勤途中に確認してみたんだが、やはり時速100kmあたりが妥当な感じだったな。」
B : 「何を根拠に妥当なのかがよくわからないが、確かに時速60kmでは手に何かが触っているという感触すらないな。それにしても、哀しい出勤の景色だぞ、それ。」A : 「ほっとけ!だけど、少し考えてみると、このおっぱい(ニセモノ)の感触問題は結構面白く、技術的にもなかなかに深い話だと思うんだよ。」
B : 「はぁそうですか…、としか言いようがないな。」A : 「まぁ、聞け。何しろこのおっぱい(ニセモノ)の感触問題には流体力学のエッセンスがぎっしりと詰まっているんだからな。」
B : 「そんな話は聞いたことはないが、とりあえず聞かせてもらおうか。」A : 「このおっぱい(ニセモノ)の感触問題を解くためには、とりあえず車の窓から手を出したときの指の周りの空気流を計算すれば良いわけだ。」
B : 「ちょっと待て。何で指の周りなんだ。手のひらじゃなくて?」A : 「簡単なことさ。試しにおっぱいを揉む仕草をしてみろよ。」
B : 「こ、こうか?あぁっ?手のひらじゃなくて指で揉んでるっ!」A : 「そうだろ。何故かわからないが、おっぱいを揉む仕草=Mr.マリックが超魔術をかける時のような指使いらしいんだよ。」
B : 「うむ、確かにそのようだな。」A : 「だから、時速60kmの風からおっぱいの感触を受けているのは指先だと考えるのが自然だろ。それなら、とりあえず下の図のような「指の間を抜けていく空気の流れ」を計算してみれば、おっぱい(ニセモノ)の感触問題が解けるわけだ。」
B : 「実写の手に二次元の計算結果を三次元的に合成するという凝った処理が、実にクダラナイことに使われている例だな…」
![]() | 高速で走る車の窓から手を出して、その手の指の間を抜けていく空気の流れを計算しよう。 鉛直方向の指の等方性を考えて、右の図に示すような指を輪切りにするような水平面のみを考える。 こんな写真を撮るときに、自己嫌悪に陥りがちなのは何故だか知りたい今日この頃。 |
A : 「こういう「空気の流れ」ような流体の力学は、ニュートンのプリンキピアに始まり、オイラーとベルヌーイにより非圧縮・非粘性の理想流体の運動方程式とエネルギー保存則が導かれた。それがオイラーの運動方程式とベルヌーイの式だ。オイラーの運動方程式はちなみにこんな感じだ。」
加速度 = 外力 + 圧力勾配力 v : 速度 |
A : 「基本的には「加速度 = 外力 + 圧力勾配力」という形だな。この非圧縮・非粘性の理想流体の場合はラプラシアンがゼロのポテンシャル流れと呼ばれる単純な流れになる。試しに、そんな場合をNast2Dを元にしたプログラムで計算してみた結果はこんな感じになる。ホントはこの計算自体は完全な理想流体ではないのだが、まぁ大体はこんな感じだ。」
B : 「おっ、あっという間に計算したな。」A : 「まぁ、ポテンシャル流れならエクセルでもちょちょいと計算できるくらいだからな。ちなみに、これは窓から手を出してしばらくしてからの空気の流れだ。」
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A : 「で、どうだ?」
B : 「いや、どうだ、と言われても困るが、なんかキレイだな。だけどちょっと小さくて見にくいなぁ。」A : 「そう言われれば確かにそうだ。じゃぁ拡大してみるか。」
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B : 「で、この結果から何がわかるんだ?」A : 「この図で空気は左から右へ流れているわけだが、左端の空気の速度と右端の空気の速度は、実は同じなんだ。」
B : 「そう言われても、よくわからないが?」A : 「指を通り過ぎてく空気は、指をとおる前後で運動量がそのまま変わってないってことさ。つまり、空気は指を通り過ぎる時になんら抵抗を受けてないってことだ。」
B : 「えっ?おかしいじゃないか、それなら逆に言えば指も空気から何の抵抗を受けないってことか?」A : 「そういうことだ。これがダランベールのパラドックスだ。」
B : 「じゃぁ、何か?この指先に感じるまぎれもないおっぱいの感触は幻だとでもいうのか!? そんなのオレは認めないぞ!」A : 「まぎれもない、っていうほどのものでもないし、ニセモノおっぱい自体は何か一種の幻のような気もするが、もちろん感触自体は幻であるハズはない。そもそも、空気をサラサラな理想流体として取り扱ったところが間違っているわけだ。そこで、登場するのがナヴィエとストークスだ。彼らはオイラーの運動方程式に粘性を導入した。全てはおっぱいの感触を説明するために、だ。」
B : 「それウソだろ。ナヴィエとストークスが聞いたら怒るぞ。」
加速度 = 外力 + 圧力勾配力 + 粘性力 v : 速度 |
A : 「見ればすぐわかるだろうが、この非圧縮流体に対するナヴィエ・ストークスの方程式は、最後に粘性項が入っている以外はオイラーの運動方程式と全く同じだ。」
B : 「なるほど。こうしてみると意外に簡単な式だな。」A : 「あぁ、オイラーの運動方程式に粘性項が入っただけだからな。そのせいで計算はちょっと複雑になるが、最近のパソコンならノープロブレムだ。というわけで、粘性を考慮して計算してみた結果が次の図だ。」
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B : 「おっ、ちょっと様子が違うな。何か、ジェットエンジンみたいに尾を引いてるぞ。」A : 「そうだろ。指の後ろのl様子がずいぶんと違うだろう。で、これを拡大してみたのが次の図だ。」
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B : 「左端の空気の速度はもちろんさっきと同じだが、指の後ろでは空気が渦巻いているし、右端の空気の速度は全然違うな。」A : 「もっとリアルに、窓の外に手を出したときの、指の周りの空気の動きを時間を追って計算してみた計算結果のアニメーションが次の図だ。指の周りに空気が渦巻いていく様子がよくわかるハズだ。」
![]() | 窓の外に手を出したときの、指の周りの空気の動きを時間を追って計算してみたもの。指の周りに空気が渦巻いていく様子がよくわかる。 メッシュを細かく切ったおかげで、計算結果は1GB弱。なんてこったい。 |
B : 「指が空気の中を走り抜いていく様子がよくわかるな。確かにこれなら、空気の抵抗を受けまくりだな。」A : 「そうだ。空気は指から力を受けるし、逆に、指は空気からしっかりと力を受けるわけだ。」
B : 「なるほど、この計算結果は指先に感じるまぎれもないおっぱいの感触を説明しているわけだな。いい感じじゃないか。流体力学そして粘性項さまさまじゃないか!」A : 「あぁ、それも全てナヴィエとストークスのおかげだ。」
B : 「おやっ?ちょっと待てよ!これでは、ただ現実を説明してみただけで、何の解決にもなってないぞ!時速60kmと時速100kmの風の感触の差を説明しているわけでもないし、青少年のためのもっと安全な擬似おっぱいを提供しているわけでもない!」A : 「いや、それがそういうわけでもない。実はこの先があるんだ。このナヴィエ・ストークスの方程式の解はレイノルズ数という無次元数によって決定されるんだ。今回の場合で言うと、レイノルズ数は「指の直径x 車の速度 / 流体の運動粘性率」という形になる。そして、このレイノルズ数が大きくなるほど渦が延びていくんだ。」
B : 「なるほど、わかってきたぞ。つまりあれだな。時速60kmから時速100kmに速度を上げれば、それに応じてレイノルズ数が大きくなって、空気の渦もおおきくなるし、おっぱいの感触も確実なものになるわけだな。勉強になるな。」A : 「う〜ん、実際には密度の違いの方が大きいんだが、ナヴィエ・ストークスの方程式の理解としてはそれでいいかもな。あと、単にレイノルズ数を大きくしたかったら指を太くする、っていうのでもいいわけだ。」
B : 「そう言われても指の太さはなかなか変えられないしなぁ。」A : 「指サックとか色々手はあると思うが、もっといい方法がある。さっきの式を眺めてみれば流体の運動粘性率が小さくなれば、レイノルズ数は大きくなる。例えば、水の運動粘性率は空気のそれの十五分の一だ。」
B : 「ってことは、水の中だったら、レイノルズ数も大きいし、密度も大きいし、指先に抵抗を受けまくりってことだな。すると、水中で手を動かしてみれば、それは空気中の高速クルージングと同じってことになるな!」A : 「そうさ、風呂の中で手をひとかきすれば良いだけの話さ。何もわざわざ時速100kmの車の窓から手を出す必要はないんだ。実際、風呂の中で確かめてみたけど、なかなかイイ感じだ!」
B : 「時速100kmで走る車の窓から手を出すのに較べれば、風呂の中で手をひとかきすれば良いだけなんて、まさに青少年のためのもっと安全な擬似おっぱいだな!」A : 「あぁ、それも全てナヴィエとストークスのおかげだ。」
B : 「それはもういいっ言ってるだろ。」A : 「ところで、ふと考えてみたことがあるんだ。さっき、指を太くすれば遅い速度でもレイノルズ数が大きくなるって言っただろ。東大寺の大仏なんかかなり指が太いじゃないか。」
B : 「確かに、そうだな。」
A : 「今調べてみると、大仏の掌の長さは256cmだ。つまり普通の人間の10倍くらいある。だったら、指の太さも10倍はあるだろう。ってことは、ほんのそよ風が吹いただけでも、大仏の手にはしっかりとしたおっぱいの感触が感じられているんじゃないのかな?」
B : 「単に手が大きいから空気の抵抗も大きいだけどいう気がしないでもないが、指の長さもでかいしさぞかし超巨乳の感触かもしれんな!そう考えると、あの大仏の手も何か実にイヤラシイ手つきに見えてくるから不思議だな!」A : 「う〜ん、悟りを開いているから、指先のヘンな感触なんかには惑わされないんだとは思うけどな。しかし、案外と仏もそんな煩悩と日夜闘っていたりするのかもしれないなぁ。しかも、その煩悩がホントーにあるのかもよくわからない幻のような擬似おっぱいってところが面白くないか?大仏の指先は二十一世紀の煩悩そのものを暗示しているのかもしれん。仏の手にも煩悩ってところだな!」
B : 「言いたい放題だな、全く。」
さて、今回は「オッパイ星人の力学第四回 - バスト曲線方程式 編- (2001.01.13)」と繋がるところまで話が辿り着かなかった。おっぱいの表面張力、マボロシのような指先の流体力学、そして大仏の煩悩をめぐる大河ドラマは人生そのもののようにまだまだ続くのである。
2001-05-20[n年前へ]
■オッパイ星人の力学 あなたのオッパイ星人度 編 
擬似オッパイに関するhiraxの関係式
オッパイ星人シリーズも第六回である。いつの間にか、「片手」で数えられる回数を超えてしまった。前回の話では、大仏が差し出す「片手」も実は擬似オッパイの感触を楽しんでるのかもしれない、という結論だった。今回はそんな「時速60キロの風圧はおっぱいの感触か?」という問題の続きを少し違うアプローチで考えてみたい。そして、そもそもの出発点「時速60キロの風圧はおっぱいの感触か?」を考え直すとともに、前回の目的「そんな危ない擬似オッパイではなくて、青少年のためにもっと安全な疑似おっぱいを探す」ということについても考え直してみたいと思う。
まずは、簡単な「あらすじ」を先に書いておこう。
なんでも、テレビ番組の「めちゃめちゃイケてる!」の中で「時速60キロの風圧はオッパイの感触である」と言っていたらしい。そしてまた、人間そして愛について日夜取り組んでいる「性と愛研究所」の「おっぱいの感触と風圧に関する考察」中で、「時速60kmでは全然オッパイの感触ではなくて、ちょうど時速100kmを境に急にオッパイの感触を感じます。」というメールが紹介され、擬似オッパイの感触を受けるのは時速100km以上だと結論づけられている。前回、私自身も東名高速で出勤途中に確認してみた感じでは「時速100km/h」以上が妥当に思われた… と、その時は思われたのだが、先日またもや東名高速で出勤途中にふと実験し直してみると何か違うのである。「時速100km/h」では風圧が強すぎるのだ。「時速60km/h」でも「何やら十分イケてる感じ」に思えたのである。「オヤ?これは一体どういうことだ?」と私は疑問に思うと同時に、そういえば「時速60キロの風圧はオッパイの感触か?」という問題を長いこと放り出していたなぁ、久しぶりにアレをやってみるかぁ(遠い目)と思い筆を取る次第である。
この前、
では車の窓から突き出した掌の指の形状を考えながら、その指の周りの空気流の計算してみた。もちろん、こういった形状的なアプローチも必要なのであるが、原理的なものを考えようとした場合にはそれはちょっと応用編すぎる。今回は単純な近似則を使って、「風圧はどの程度の大きさなのか?」「そして、その風圧の大きさはどの程度のオッパイの大きさなのか?」という風に考えていくことにしよう。 まずは、下に示すのが単純な手と複雑な手だ。左が私の掌で、右が私の目標ドラえもんの掌である。私の掌は結構複雑な形状をしている。それに対して、ドラえもんの掌の方は極めて単純、球そのものである。もう、ツルツルの球そのまんまなのである。
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複雑な私の掌の方は、さすがに複雑というだけあって掌の周りの空気流なんかを計算しようとすると、結構それは複雑だ。何しろ、前回は簡単な空気流の計算を行っただけでも出力ファイルは1ファイル当たり1Gバイト程になった位である。
しかし、右のようなドラえもんの単純な掌の場合はどうだろう?ツルツルの球そのまんまの掌は空気流により、どんな力を受けるだろうか?こちらの場合も計算は複雑なのだろうか?
実は、このツルツルの球そのまんまの掌の場合はそれほど計算は難しくないのである。一般的に、速度vで動く半径rの球が受ける「空気の粘性により生じる抵抗力」はストークスの法則により、
- 粘性抵抗
と表されることが知られている。ここで、ηは空気の粘性率である。標準状態の空気ではη=1.82x10^-5(kg/ms)である。式を眺めれば判るように、この粘性抵抗は球が動く速度vに比例した大きさになる。
どうして粘性によって抵抗力が生じるかはまた別の回で考えることとして、とりあえず掌が受ける抵抗にはもうひとつ大きなものがある。それが、一般的に「慣性抵抗」と言われるものである。こちらの方は、掌が静止している空気の「いわゆる」速度を変化させることによる抗力であり、半径rの球に対しては近似的に、
- 慣性抵抗

ツルツルの球形状の掌の半径rは、私の掌を握りしめた時の大きさを参考にして0.1(m)としてみた。もちろん、このサイズではちょっとでかすぎるわけだが、実際の掌の形状はもっと複雑で空気抵抗が大きいことを考慮して、実際の掌の受ける力に近づけるために大きめに設定してみた。
さて、掌を窓から出す車の速度を時速60km/hとか100km/hとかいった辺りで
という条件下で計算を行うと、粘性抵抗よりも慣性抵抗の方がはるかに大きく、掌の受ける力はほとんど慣性抵抗である。試しに、これらの数値を使って窓から出した(単純な)掌が受ける力を計算してみたのが次のグラフである。このグラフを見れば、窓から出した掌が受ける力が車の速度の二乗に比例していることが判ると思う。なお、ここで掌が受ける力の単位は(g重)に換算したものである。オッパイ星人の力学を考えるときの単位はkgでなくて、gの方が使いやすいのである。
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まずは、このグラフを見ると時速60kmでは掌に300g重位の力を受けていることが判るし、それが時速100km程度になれば大幅にその力は増えて800g重程度になる。掌にズシっと力を受けるわけである。
さて、掌が受ける力が判ってしまえば、こっちのものだ。何しろ、こっちには懐かしのオッパイ星人の力学シリーズ第一回
で計算した「胸のカップ数とオッパイ一個あたりの重さ(g)」(もちろん、この「オッパイ一個あたりの重さ」の値はどうにもおかしいところがたくさんあるのだが、そこはそれ女性の神秘(トリック?)なのである)がある。これを使って、窓から出した掌が受ける力を比較してみることにしよう。![]() |
この「オッパイ一個を持ち上げるときの掌が受ける重さの感覚」を「窓から出した掌が受ける力」と比較してみる。すると、窓から出した掌が感じる擬似オッパイがどの程度の大きさであるかが判ることになる。極めてバーチャルな擬似オッパイのカップサイズが判るわけである。
というわけで、下に示したグラフが
- 窓から出した掌が受ける力 ( g重換算 )
- 胸のカップ数とオッパイ一個あたりの重さ(g)
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おやっ、なかなか良い対応が見られるではないか!時速60km/hというと、C〜Dカップ位のオッパイの感覚で、時速100km/hだとFカップ位である。時速30kmでもA〜Bカップ位のオッパイを持ち上げる位の力を窓から出した掌は受けていることになる。
ということは、各人の「擬似オッパイを感じる速度」が判れば、「その人が願うオッパイのサイズ」が判るのではないだろうか?そして、もし「その人の願うオッパイのサイズ」が結構大きければ、それはすなわちオッパイ星人度が高いということになるし、「その人の願うオッパイのサイズ」が小さければオッパイ星人度が低いということが判るわけである。
例えば、先の「時速60kmでは全然オッパイの感触ではなくて、ちょうど時速100kmを境に急にオッパイの感触を感じます。」というメールの書き主の思うオッパイのサイズは何とFカップである、ということが判るわけだ。実際のところ、何が標準かどうかは判らないが、Fカップというのはかなりな巨乳に思えることであるし、このメールの書き手はとてもオッパイ星人度が高い、ということになる。
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ぜひ、あなたもこのグラフを片手に、走る車の窓から手を突き出し、掌に受ける擬似オッパイの感覚を確かめて欲しい、と思う。そして、「擬似オッパイの適正速度」を頼りにあなたのオッパイ星人度をチェックして欲しいのである。そして、その結果を是非私(jun@hirax.net)まで知らせて頂けたら幸いである。
さて、前回「安全な擬似オッパイ」を探すべく考察をしてみたわけだが、実は考え直すべきは「人の願うオッパイのサイズ」であったのかもしれない。Eカップ巨乳を願うから時速100km/hが必要だったのであって、Cカップで満足すれば、時速60km/hで十分だったのである。そして、Aカップを願うならば、スクーターでもオッケーの時速30km/hでこと足りるのである。そう、実は車の窓から掌を突き出す擬似オッパイはとても安全なものだったのである。その本来安全な「車の窓から掌を突き出す擬似オッパイ」を危険たらしめていたのは、「高すぎるオッパイ星人度」だったのである。
というわけで、交通安全、そして世界平和へ通じる道は、実はオッパイ星人度を低くしていくことにあるのかもしれない、と思う今日この頃なのであった。
2002-05-19[n年前へ]
■風上に向かう「しょんべん小僧」 
「しょんべん小僧」の物理学 逆風編
近所の海辺で、不思議なお堂を見つけた。迷路のような曲がりくねった裏小路を抜けて行くと、小高く鋭い丘があって、その上に小さな八幡宮が建っている。そして、その丘(というより小高い岩)の中腹には小さな不動堂が建っている。かつては不動堂がその丘のヌシであったらしく、その丘は不動岩と名付けられている。とにかく、本当に小さいけれど、とても不思議な空間なのである。そして、その不動岩のてっぺんで潮風に吹かれて体が冷えたワタシは、バチ当たりにも立ちションをしてしまったのだ。
恥ずかしい話ではあるが、ワタシはトイレが近い。長〜い重要な会議中、カリカリと鉛筆の音が響く試験中、ビアグラスがぶつかる音が溢れる居酒屋で、あらゆる時、あらゆる場所でソレをもよおすワタシは、あらゆる場所でソレをする。もうそれは散歩中の犬並といっても良い位にソレをしまくるのである。
思い起こせば、観光バスで首都高速を走っているときに、いつものようにソレをもよおしたワタシは、観光バスに満載された同級生達(もちろん男女共に満載である)の視線を背中に浴びまくりつつ、首都高速の道路沿いで立ちションにいそしんだことすらあるくらいだ。そして、さらに真相を書いてしまえば、その時にはあまりの背中に降り注ぐ視線のイタさに(膀胱に押し寄せる強風波浪に関わらず)ろくに放水活動ができなかったことも、今となっては懐かしくも哀しい思い出なのである。
海辺の不動岩の上で潮風に吹かれながら、そんな「立ちしょんべん」にまつわるエトセトラを思い出したワタシは、久々に「しょんべん小僧」の物理学パートツー- 風に向かって「立ちしょんべん」をするにはどうしたら良いか -を考えてみたい、と思うのである。逆風に負けずに立ちションを遂行するためにはどうすれば良いかを考えることにより、時と場所を選ばず立ちションを遂行したいと思うのである。
そこで、まずは、「立ちションベン」のパラメーターを決めてみよう。もちろん、立ちションには色々なパラメータがある。もちろん、人によっても違うだろうし、状況(観光バスの視線を集めたワタシのソレは明らかに「普通の立ちション」ではなかった…)によっても違うことだろう。しかし、ここはひとまず「しょんべん」の初速と放水を行う「銃筒」の角度を適当に決めてみる。つまり、立ちションがどの向きにどれだけの速さで放出されているかを決めてみるのである。
![]() 「しょんべん小僧」の物理学- あともう一歩、前に出ろ - (2000.10.29) |
下左のグラフは「銃筒」を水平撃ちする歳の「しょんべん」の初速と、その場合の「しょんべん」の軌跡である。「銃筒」から「しょんべん」が秒速2,3,4mで飛び出すときの「しょんべん」の軌跡を計算してみたモノだ。縦軸が鉛直軸、横軸は立っている場所を0とした時の水平距離を示している。単位はいずれもメートルである。ショーという感じで放水中の立ちションの様子がよく判ると思う。「しょんべん」を放つ「銃筒」の高さは70cmとちょっと低めにしてしまったが、普通もう少し高い場所にあるのが自然だろう。
飛翔中のしょんべんが受けるの空気抵抗も、この計算中では考慮してあるが、この段階では未だ特に風が吹いているわけではないので、しょんべんの軌跡は大体放物線と似通っているものになっている。このグラフを眺める限りでは、しょんべんの初速は秒速3m位に設定するのが自然に思われる。場合によっては(どんな場合だ!?)、もう少し違うような感じもするのだが、とりあえず平均値としては「しょんべん」の初速は3m/s位で良いように思われる。
青 : 2m/s ![]() | 青 : 下向き30度 ![]() |
そして上右は試しに、「しょんべん」を放つ「銃筒」の放出角度を変えた場合の「しょんべん」の軌跡を計算してみた場合の「しょんべん」の軌跡である。ここでは下向き30度、水平撃ち、上向き30度の三種類をやってみた。この三つの場合の結果、そして色々な「しょんべん小僧」を見る限りでは、「しょんべん」の狙い方としては水平撃ちが普通だろう。自らの経験と重ね合わせてみても、「しょんべん」は水平撃ちが「安定度・飛距離」共に優れており、それ故にそのやり方が一般的ではないかと思うのである。
さて、こんな感じで大雑把に初速度を決めてみたところで、本題の風が吹いている場合の「しょんべんの軌跡」を計算してみた。下のグラフが、潮風に吹かれながら風上に向かって放水作業を行う場合の「しょんべんの軌跡」である。つまりは逆風に晒されたしょんべん小僧のしょんべんの軌跡である。
左は吹いている風の風速を0〜28m/sまで変えてみた場合のしょんべんの軌跡を計算してみたものだ。しょんべんはもちろん風上に正確に狙いを付けている。このグラフを見ると、風が強くなるに従い、しょんべんの軌跡が風に吹かれて自分の足元に吹きながされているのが判ると思う。風速3m/s位では、「しょんべんの飛びが何だかちょっとなんか違うかな?」という程度であるが、風速28m/sにもなると、自分の足元に押し戻される程度では済まず、何と自分の足先に「しょんべん爆弾」が見事に誤爆してしまっている。何とも恐ろしい事態である。秒速28m/sの風= 時速50kmの風圧と言えば、それはすなわちCカップバストの感触(擬似オッパイに関するhiraxの関係式)であるわけであるが、その「天使のCカップバスト」を装う魔の風に銃筒を向けて「しょんべん」を撃った瞬間に、何と自分の足先に天罰が下ってしまうのである。恐るべき、逆風なのだ。
黒 : 0m/s (時速0km) ![]() |
![]() |
そこで、もちろん、そんな強風の中での立ちしょんべんをする場合に誤爆しないようにするためには、いくつかの対策がある。もちろん、誰でも思いつく一番判りやすい方法が「しょんべん」が銃筒を飛び出す初速や構える銃筒の角度を変えるというものである。風に負けない強さでしょんべんを放水したり、飛距離が出なくても良いから、風に流されにくいような銃筒の角度に狙いを変えるというものだ。右のグラフは、例えば銃筒の角度を水平撃ちを止めて、「しょんべん爆弾」が風に流されて誤爆しないように、下向き30度の速射タイプに変更してみたものである。自分の足に見事に命中していたしょんべん爆弾が、なんとか誤爆せずに地面に吸い込まれていることが判ると思う。
ところで、実は立ちションベンにはたくさんのパラメーターがある。ションベンの初速度と銃筒の角度だけではないのである。実は地味だが、大きなパラメータが数多くある。その内の一つが、しょんべんを撃つの銃筒の口径なのである。風が吹いていないような場合にはあまり関係ないが、風が強くて空気抵抗がとてもとても無視できないような場合には、この銃筒の口径は大きく効いてくるのである。空気抵抗の大きさ自体が口径の二乗で効いて、ションベンの質量は口径の三乗に比例するから、結果として口径に比例して空気抵抗の影響が小さくなる。すなわち、口径が小さいと風の影響を強く受け、口径が大きいと風の影響を受けにくいのである。つまりは、細くショワァーと放水するか、太くジョワァーと放水するかどうかはとても重要なのである。
というわけで、下のグラフが風速28mの逆風下で「しょんべんを水平に撃つの銃筒の口径」を変えてみた場合の計算結果である。口径を大きくすることで、風の影響を受けやすい水平撃ちをしているにも関わらず、しょんべん爆弾の誤爆を楽々と防ぐことができているのが判るだろう。風吹く中で立ちションを力強く安定してするためには、何より放水口の口径を大きくすることが大切なのである。
黒 : 半径 3mm 赤 : 半径 2mm (風速28/s = 55km/h下における水平撃ちの場合) ![]() |
というわけで、「逆風に負けずに立ちションを遂行するためにはどうすれば良いか」「時と場所を選ばず立ちションを遂行するためにはどうしたら良いか」を考えてきたワタシは、「しょんべんを撃つの銃筒の口径を太くするべし」という結論を得たわけである。と、書きつつ「そんなことできるかぁー」と叫びたくもなるが、日々鍛錬をすることで、いつ日かそんなワザを拾得し、あらゆる時と場所で、雨ニモ風ニモ負ケズ、そして「天使のCカップバスト」を装う魔の風にも負けないワタシになりたい、と思うのである。
ところで、そんな「しょんべんを撃つの銃筒の口径を太くしたりする」ことが既にできるヤツラもいるのである。それはもちろん、ションベン小僧達である。だから、街中に立っているションベン小僧達、強い逆風に晒されりすることの多いションベン小僧達は、「銃筒の口径」がきっと太いのではないか、とワタシは想像するのである。なかなか、彼らのソレの口径を計ったりする機会には恵まれないのではあるが、きっと彼らは太くジョワァーと放水をすることで、風に負けない立ちション生活を貫いているのではないか、とワタシは想像したりするのである。ワタシもいつの日か、力をつけて彼ら逆風に負けないションベン小僧のようになりたいと思うのである。 …どう特訓するのか判らないけど…。





























